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実はMR10LNはMR05LNとは位置付けが違う
国内4キャリアや海外170以上の国・地域のバンドに対応したマルチバンドのLTEモバイルルータ 「Aterm MR10LN」を発売 ~New Normal時代の新しい働き方・学び方を支援~
現行商品のハイエンドモデル「Aterm MR05LN」、エントリーモデル「Aterm MP02LN」に加え、新たに本商品をスタンダードモデルとして位置付けLTEモバイルルータのラインナップを強化します。
MR05LNはハイエンドモデルだったのに対して、新発売のMR10LNは同じくデュアルSIMですがスタンダードモデルとして投入するようです。
ざっくり結論。MR05LNの方が良いという人、実はかなり多いのでは。
MR10LNの方が良い点
- WPA3対応
- 対応LTEバンド変更(Band18は削除されているが26が追加されているので恐らく問題ない)
- USBポートがType-Cになった(MR05LNはMicroUSB-B)
- バッテリー容量が4000mAhに増えた(但しはめ殺し)
- 連続通信時間が14時間から21時間に大幅に増えた
- 消費電力2W削減
MR05LNの方が良い点
- CA(3CA)が使える(MR10LNはCA使用不可)
- LTEの受信最大速度が375Mbps(MR10LNの最大150MbpsはCAが使えないことに由来すると思われる)
- 802.11acの最大通信速度が867Mbps(MR10LNは433Mbps)、802.11nの最大通信速度が300Mbps(MR10LNは150Mbps)
- 公衆無線LAN機能がある
- Bluetoothテザリングが使える(MR10LNは使用不可)
- 5GHz帯でW53が使える(必要な人は少ないと思う…)
- タッチパネル(MR10LNはタッチパネルではなくなった)
- ユーザーがバッテリー交換可能
- 30g軽い
- 3辺のうち2辺がMR10LNより小さい(厚み3mm、長辺11mm)ので、持ち運びが容易
- クレードルが別売りされているので、有線LANのWAN側端点として使用可能
MR10LNとMR05LNを表で比較
Aterm MR10LN:仕様 | 製品一覧 | AtermStation
Aterm MR05LN:仕様 | 製品一覧 | AtermStation
MR10LN | MR05LN | 相違点 | |
---|---|---|---|
発売年 | 2021年 | 2016年 | |
LTEバンド (FDD) | 1/2/3/4/5/8/11/19/21/26 | 1/3/8/11/18/19/21 | 2 4 5 26が追加、18が削除 |
TDD-LTEバンド | 41 | なし | MR10LNで追加 |
キャリア アグリゲーション | なし | 3CA | MR10LNで削除 |
LTE接続時 最大伝送速度 | 受信最大 150Mbps 送信最大 50Mbps | 受信 最大150Mbps 送信 最大50Mbps CA時 受信 最大375Mbps 送信 最大 50Mbps | |
HSPA/W-CDMA バンド | 1/2/4/5/6/8/19 | 1/5/6/8/19 | 2 4が追加 |
WAN側 無線LAN | なし | IEEE802.11ac、 802.11n、802.11a、 802.11b、802.11g | MR10LNで削除 |
WAN側 無線LAN 最大伝送速度 | 802.11ac 867Mbps 802.11n 300Mbps 802.11a 54Mbps 802.11g 54Mbps 802.11b 11Mbps | ||
LAN側 無線LAN | IEEE802.11ac、 802.11n、802.11a、 802.11b、802.11g | IEEE802.11ac、 802.11n、802.11a、 802.11b、802.11g | |
LAN側 無線LAN 最大伝送速度 | 802.11ac 433Mbps 802.11n 150Mbps 802.11a 54Mbps 802.11g 54Mbps 802.11b 11Mbps | 802.11ac 867Mbps 802.11n 300Mbps 802.11a 54Mbps 802.11g 54Mbps 802.11b 11Mbps | |
Bluetooth テザリング | なし | PAN(PAN-NAP対応) | |
SIMスロット | nanoSIM(4FF)×2 | nanoSIM(4FF)×2 | MR10LNはスロットが 本体側面に移動 |
連続通信時間 | Wi-Fi通信 約21時間 | Wi-Fiテザリング時 約14時間、 Bluetoothテザリング時 約30時間 | |
電池 | リチウムイオン電池 4,000mAh (内蔵式) | 充電池パック (リチウムイオン電池) 2,500mAh(着脱式) | |
ヒューマン インタフェース | 2.4インチ | 2.4インチ LCDタッチパネル (静電感応式、 320×240pixel) | MR10LNはタッチパネルではなくなる |
ボタン | 電源ボタン×1 決定ボタン×1 選択ボタン×1 | 電源ボタン ×1 | |
外形寸法 | 約126(W)× 62(D)× 14.2(H)mm | 約63(W) × 115(D) × 11(H)mm | |
消費電力 | 最大通信時 約6.0W | 最大通信時 約8W | |
質量 | 約145g | 約115g (充電池パック装着時) | |
クレードル | なし | オプション (有線LANポートあり) |
MR10LNを使う上でネックになりそうなこと
MR05LNと比較して大きく異なる仕様はMP02LNと共通のものが多い
公衆無線LAN機能の削除、CAの削除、無線LANの通信速度の低速化が大きな差別化要因であるように見えますが、MR10LNはこのあたりの数値がシングルSIMモバイルルーターであるMP02LNと共通です。
Aterm MP02LN/MP02LS:仕様 | 製品一覧 | AtermStation
そのため、MR10LNはMP02LNをベースに、SIMスロットを2つに変更したモデルと見るのが妥当かと思います。
主な懸念事項は移動中の使用時の切断、複数機器の同時接続時の通信速度
LTE-Advancedの仕様であるキャリアアグリゲーション(CA)は複数のバンドを同時に接続して使用しますが、CAに対応しないMR10LNを移動中に使った場合、複数のバンドの境界を跨ぐと通信が切断します。日常生活や徒歩移動程度ではあまり問題ないと思いますが、車での移動や新幹線での移動の際に複数バンドによるエリア補完をしている箇所を通るとこの事象に遭遇します。
また、複数台のPCやスマホから同時接続して使用する場合にも、MR10LNのWAN側の通信速度の上限が150Mbpsになっていますが、150Mbpsは40MHz幅の電波帯域に接続した状態で電波強度が非常に強い場合に出せる理論値であり、CAを使わない場合にこれに近い速度が出せる場所は非常に稀です。
そうなると、1台の接続では高速に通信できても複数台から同時接続すると如実に体感速度が変わる可能性がある仕様と考えて良いでしょう。
上記の通り、高速移動中に使用したり、複数の機器で同時接続するような場合にはMR10LNは向いていないかもしれません。
逆に、移動中にそれほど使用しない(一時的に切断しても困らない)、複数の機器で使う予定がないといった場合には消費電力も下がっていることからMR10LNはおすすめできると思います。
参考:前モデルMR05LNと前々モデルMR04LNの比較はこちら
ご参考まで、我が家にあるMR05LNとMR04LNを比較した際の記事はこちらです。
後継機種が出なくなってしまったNECのデュアルSIMモバイルルーター Aterm MR05LNを今更レビュー。その魅力を探る
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