TOC
かなり安価に高コスパ。小米の放つAndroid One 第3弾Mi A3
スペックと質感を考えるとコスパがやたら高いことでおなじみのシャオミ/小米/Xiaomi。3年間のセキュリティパッチと最低1回のメジャーアップデートが提供されるAndroid OneはこれまでA1、A2/A2 Liteと発売してきましたが、去る2019年7月にAndroid Oneとしては第3弾となるMi A3を発表、台湾では8月に発売しました。
例年の様に追加される機能/仕様はあるんですが、今年は何と前モデルと比較して劣化している部分もありますので、包み隠さずレビューします。
なお、本記事はMi A3のみ、購入場所であるショップや入居するショッピングモールは別記事にします。
前モデルA2との比較
Mi A3 | Mi A2(前モデル) | |
---|---|---|
SoC | Qualcomm® Snapdragon™ 665 | Qualcomm® Snapdragon™ 660 AIE |
RAM | 4GB | 4GB/6GB |
ストレージ | 64GB/128GB | 32GB/64GB/128GB |
外部ストレージ | Nano SIMと排他でSDスロット | 無 |
ディスプレイ | 6.088吋 1560 x 720 有機EL | 5.99吋 2160 x 1080 IPS |
寸法 | 153.48 x 71.85 x 8.475mm | 158.7 x 75.4 x 7.3mm |
重量 | 173.8g | 168g |
電池 | 4030mAh (typ) / 3940mAh (min) | 3010mAh (typ) / 2910mAh (min) |
充電 | Quick Charge™ 3.0 / 18W急速充電 | 5V2A |
リアカメラ | 48MP(主) / 8MP(広角) / 2MP(深度) | 12MP / 20MP |
SIM | Nano SIMx2(1枚はMicroSDと排他) | Nano SIMx2 |
指紋センサー | 画面内 | 裏面 |
イヤホンジャック | 有 | 無 |
カラバリ | More than White(豈止白)/Not just Blue(勝於藍)/Kind of Grey(暗夜黑) | Gold(金色)/Black(黑色)/Lake Blue1/紅色2 |
共通仕様としては、ゴリラガラス5、802.11a/b/g/n/ac、BT5.0等
前モデルA2との気になる差異
解像度の縮小
やっぱり一番大きいのこれですよね。個人的にコンパクトモデルでないスマホはフルHDないとダメだろ派なので、このポリシーを崩すのはだいぶ迷いました。A3は720pを横に伸ばした解像度です。
その代わりと言ってはなんですが、有機ELが採用されています。有機ELの方が高解像度パネルの値段が下がらないとかなんでしょうか。有機ELについてはGalaxy Nexusを使っていた人間として焼き付きがいつ始まるんだろうという恐怖はありますが現在のところ何の問題もありません。
電池容量アップと重量増
これまで使ってきたスマホで電池容量をアピールしてきた端末はこれまでなかったのですが、A3はかなりアピールしてきてます。少ないよりは多い方が助かるのは間違いないです。
画面内指紋センサー
A2では背面に指紋センサーがありましたが、A3は画面内の下の方に指紋センサーがあります。机に置いてある場合でも持ち上げる必要がないので、指紋センサーを初めて使っています。
3眼カメラ
すっかりトレンドになった複眼レンズ。A3はハイエンドではないにも関わらず3眼で来ました。HDRとAI、夜景モードも搭載しています。カメラアプリは2倍モードと広角モードも準備されていてボタンタッチですぐに切り替えられます。
小型化
今回購入に踏み切ったのは実はこれが最大の理由です。最近のスマホはどうしても大型化が進んでいて、片手操作派としては特に横幅の小さいモデルを探していました。A2をチェックした時はデカいなぁ…と思っていたので、A3の寸法を見て、これなら我慢できるかもという思いに至りました。ただ、正直画面サイズがもっと小さくていいのでもっと横幅が狭い方が良いです。
その他
イヤホンジャックは正直なところどちらでもいいです。個人的には最近はもっぱらBTイヤホンであるTaoTronicsのTT-BH072を使っているのでなければなしでも問題ありません。
SDは2枚目のSIMと排他にはなりますが、追加できる方がメリットは確実にあると思います。
SoCはSnapdragon 660から665になっています。どちらもCPUはKyro260で、Cortex-A72x4+Cortex-A53x4のSnapdragon 653よりもプロセスルールの細かい8コアとなっています。但し、660の14nmプロセスから665では11nmプロセスに微細化されていることから省電力性に寄与するものと考えられます。GPUは変更Adreno 512から610に変更されていることと、DSPがHexagon 680から686に変更することで、エッジAI処理性能が2倍になるそうです。3
前機種A2と共通してないものは、QiとNFCですね。この辺はもう値段で仕方ない側面が大きいかなと。あった方が嬉しいですが。NokiaなんかはAndroid Oneでも結構NFC付いてますし。
開梱の儀
本体
小米高雄大魯閣草衙道専売店で購入したMi A3。お値段はNTD6999。レートで変わりますが23000円くらいですかね。
台湾販売モデルはストレージ128GBのみです。色はNot just Blue。3色のうち白は欠品でした。
1層目。
セールスポイントとともに本体登場。なお、この持ち上げている蓋部分にTPUケースが入っています。
裏面から。こういうまっすぐでない光の反射をするように加工されています。
表側。アピールポイントがフィルムとして貼ってあります。
そのまま電源を入れてみました。グレーなんで黒背景でも白背景でもよく読めるんですね。ティアドロップ型のノッチですがこんな感じでかなり小さく目立たないようになっていると思います。また、画面の四隅が結構円弧でえぐられてるなぁという印象です。
昔はHelloだったと思うんですが最近はHi thereなんですね。カスタマイズでしょうか。本体はこの辺で。
同梱物
さっくり行きましょう。同梱物としてTPUケースがあるので、とりあえずケースを別に買わなくてもある程度傷付きは防げます。
本体の下に入っているのはUSBケーブル(Type-C - Type-C)、ACアダプターです。台湾販売版のACアダプターはそのまま日本でもお使いいただけます(100~240V、50Hz/60Hz)
同梱のTPUケースはUSBポート部分をカバーするようになっていて、差していない時はホコリが入るのを防ぐことができます。ただしTPUなので材質が劣化するまでとそれまでにも疲労で折れる運命をたどることになると思います。
諸設定
A3はMIUIではないので、通常のAndroidと同じように進めていくだけなのですが、ネットワーク接続、WiFi設定、日時設定、Googleサービス設定、指紋設定の後にMiサービス同意の確認があります。
小米自体は好きなのですが、MIUIではなくわざわざAndroid Oneを選ぶくらいなので、ここはチェックを入れずに完了しました。
ホーム画面とアプリ一覧
これでセットアップが終了した状態のホーム画面とアプリ一覧はこうなってます。Mi Communityが鎮座している以外はいたって普通のAndroidですね。
アプデ
Wi-Fiなりモバイルなりを繋ぐとアップデートを確認できるようになるので、そのまま確認したら6月のセキュリティパッチの状態からAndroid Oneらしく8月のアップデートまで終わりました。
個人的にはここまでGoogleアカウントでのログインもせずに、アップデートが終わってからファクトリーリセットしてから使い始めます。
アップデートとファクトリーリセットをし終わった時点のアプリ一覧がこちら。
更に削除されているのはニュース、電卓(!)、Duo、Keep、Mi Community、Play ミュージック、Play Movieですね。
但し、Play Storeが更新を始めていくと次のアプリの更新も入るので、ここもやっぱりチェックを外して先に進みます。
SIMの設定
せっかくなので、モバイルルータとして活躍してもらうことにしました。台湾大哥大のSIMです。
MicroSDと排他になるスロットはスロット1ということがわかりますね。
とはいえ、これといって設定することもなくあらかじめ登録済みのAPNから選んで終了です。
指紋の登録
指紋の登録を初めてしました。一本の指をいろんな角度から当てて登録するんですね。
認識する様子もなかなか面白いです。
指紋によるロック解除
有機ELということもあるのかもしれませんが、スリープから何らかのアクション4をすると、指紋センサーの位置だけが画面に表示されてロック解除できるようになります。
指紋の当て方で認識速度が変わるのも面白いものです。
カメラを素人目からレビュー
元々華為のMate20Proあたりからカメラがなんかもの凄いという話になっており、A3も3眼のレンズを搭載していることとAI処理を売りにしていることもあるので、写真は素人なんですが素人なりにレビューします。
なお、カメラアプリは撮影時に何もなし、HDR、AIを個別に指定できるのと夜景モードで撮影しています。夜景モードは完全にAIに設定をお任せして、撮影時に5秒くらい時間がかかります。
以下の画像の元のファイル(3000x4000)をGoogle Driveにアップロードしているので、興味のある方はどうぞ。
https://drive.google.com/drive/folders/1bPVztJG1doPGLCEJ5U8fdeSj2T8Osknk
シーン1:夜に浮かび上がる発光体
夜景モードは道路含めて全体的にえらく明るく映ります。代わりと言ってはなんですが、夜景モードはビル屋上から光っているライトの光が空気中でひどくハレーションを起こしてしまっているので、この辺はAIが苦手なのかもしれませんね。また、下2枚は上から3フロア目の照明が右の道路に面した方が暗く映ってしまっています。
シーン2:2倍モード
これまた夜景モードはえらい明るく映るのと、下2枚はマツキヨとモスのビルが明るく映っています。夜景モードを取ったタイミングでちょうどマツキヨのビルのネオンが消えてしまったのが良くなかったですね。
シーン3:夜景だけど割と周りが明るい
元々結構明るい場合は夜景モードでもそんなに明るく補正しないんだなというのと、ドンペン君のライトの当たり方は結構補正してるのがわかります。割と均一に明かりを当てて撮りたい場合は夜景モードはありかなと。
実際、夜景モードは人間の肉眼と比べても明るいのか?
夜景モードは他と比べて明らかに明るく映りますが、人間の肉眼に一番近い明るさはHDR+AIと夜景モードの中間くらいです。デフォルトは肉眼よりも間違いなく暗く映っていますが、夜景モードは肉眼よりも(多少ですが)明るく映ります。華為のP30 Proの画像が信じられないくらい明るくて、それと比べてMi A3がどのくらい追い付いているのかはわかりませんが、それでも夜景モードは明るく撮ることができるのは間違いありません。
広角レンズの使いどころ
通常の取り方だとこの画角ですが、
広角で撮るとここまで手前が写ります。確かに広角で撮ると端が引き延ばされた感じが出ますが、それを補って余りある優秀な性能だと思います。結構使いどころもあるんじゃないでしょうか。
雑感
解像度だけは本当に残念ですが、カメラも写りは値段を考えたらかなりいい方なんじゃないかと思いますし、なにせ3年はセキュアな状態が保たれるので大事に使っていきたいと思います。
comments powered by Disqus