キッチンに棚を作る!SPF材(1x4材)でざっくりDIY

Posted by 雅楽斎 on Friday, September 27, 2019

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DIY素人が作るキッチン棚

たまーにDIYっぽいことをしたりします。既製品でフィットするものがあれば買う事の方が多い程度のDIY熱ですが、キッチンの流し周りを何とかしたいと思い立ち、1x4材で棚を作りました。

SPF材とは

ざっくり書くとホームセンターで売っている、加工しやすいサイズの規格で販売される木材です。

厚みx幅で表現されるサイズになっていて、寸法は厳密には決まっていない?のですが、おおむね慣例で以下のようになっています(コーナンの通販ページから)

  • 1x4 19mm x 89mm
  • 1x6 19mm x 140mm
  • 1x8 19mm x 184mm
  • 1x10 19mm x 235mm
  • 2x4 38mm x 89mm
  • 2x6 38mm x 140mm
  • 2x8 38mm x 184mm
  • 2x10 38mm x 235mm

個人的な感覚では2x4(ツーバイフォー)か2x6(ツーバイシックス)を基本に考えて、耐久性(重量)や取り回しのしやすさでワンバイにしたり、広さを取ったりします。ワンバイは自分でのこぎりで切る羽目になった時に切る時間を短縮できるというメリットもかなり大きいです。1

ディアウォールとは(あるいはラブリコとは)

ちゃんとしたDIYをやる人2は家の壁に穴をあけて使いやすさを追求することになると思いますが、引っ越し等で建物に変化を加えてしまうと後々面倒という境遇の方の救世主となるディアウォールとラブリコをご紹介します。

ディアウォール-DIAWALL公式サイト 若井産業株式会社

LABRICO(ラブリコ)/ ラブリコ公式ブランドサイト 平安伸銅工業株式会社

SPF材に関連するこの2つのブランドは、基本的に「床から天井までの突っ張り棒としてSPF材を使う」ためのソリューションと言えます。また、この突っ張り棒は後から取り外せるようになっていることから、壁際のDIYや間仕切り等に広く使われる傾向があるように思います。

この突っ張り棒と、突っ張り棒の間を渡す板にSPF材を使うことで、壁面収納のないところに棚を作ってしまおうというのが今回のお題です。

棚を作る

どうでしょう。この無駄に縦に長い空間。あまりのスペースのもったいなさに左にティッシュをくっつけている3のがお分かりいただけるでしょうか。

そしてまたキッチンのこの辺りって置きたいものがやたらと多くないですか?食器用洗剤、排水溝ネット、ハサミ、タンブラー等の水道の近くで使うことが多いもの。シンク右のスペースにはいつも食器洗い後の水切り網を置いていますが、正面の蛇口とその左右のスペースを何とかしたい。というのが今回棚を作った理由です。

棚の仕様

どのくらいの大きさ・幅の棚を作るかを考えた時に、右側の奥は含めない方が良いのかとか考慮すべきことはありますが、今回以下の仕様で棚を作ることにしました。

  • 幅はコンセントの右から右の壁まで
  • 棚は2段。4
  • 重量物を乗せずに小物中心なのでSPF材は柱も1x4材を使用
  • 以前玄関でラブリコの棚を作ったので、今回はディアウォールを使用
  • 水場のすぐ近くなので、防水仕様を考える

棚板の長さ

左右に渡す棚板の長さはこの種の棚を作る場合は全て同じ長さになります。上の画像の壁からコンセントまでは97cmありますが、ここから柱2本分(ディアウォールの受け材もあるので実際には+1cmくらい)と壁際はコーキングで盛り上がっていて実際には端に付けられないので、1x4材の長さは90cmにすることに。

柱の長さ

画像をよく見るとお分かりいただけるかもしれませんが、左側の蛍光灯スペースは高さが右側よりもあるので、こうなると既製品では対応するのがまず不可能、それも今回SPF材で作ろうと思った理由でもあります。隙間の寸法は右側が64cm、左が72cmでここからディアウォールの45mm分を引いた1x4材を買います。

防水

SPF材は木が丸出しなので、撥水塗料とか塗らないとだめだよなと思い調べていると、ウレタンニスが良い5と分かったので、今回初めてニスを塗ることに。6

最終的に買ったもの

  • 1x4材(右柱用) 595mm
  • 1x4材(左柱用) 675mm
  • 1x4材(棚板用) 900mm 2枚7
  • 水性ウレタンニス
  • 3M セーフティウォーク すべり止めテープ 屋内用 25mm×4.5m 透明 SWT-25
  • ディアウォールR 2個(左右の柱用)
  • ディアウォール棚受け1x4用/2x4用 2個
  • ニス塗り用刷毛(水性用)

棚を作る度に実感するんですが、SPF材が一番安くてそれを取り囲むものが高いんですよね…そして今回初めて知ったんですがウレタンニスは高い!300mlで2000円近くします。

コーナンでSPF材を買うついでにカットしてもらう

ホームセンターのコーナンは木材のカットをしてくれます。コーナンのアプリに届いているクーポンを見せれば木材カット代は無料になります。1加工30円プラス税な上に切ってもらった後にもう一回レジに行って支払いをするという手間もかかるので無理でなければアプリを入れていった方が良いです。

SPF材を処理していく

買ってきた1x4材は今回ニスを塗らないと組み上げられないので、先にやすり掛けとニス塗り、乾燥をします。今回ここでも失敗していて、ニスを塗る前に棚を組めるか確認しなかったために左側の柱をニス塗り後に5mmくらい切っています8。長い分には自分で切れるので助かりました。

で、ニスをどう塗るかで注意書きがあったので今回これに沿うことに。

  1. ニスは2回以上塗ると良い
  2. 1回目のニス塗り前に180番~240番のやすりで、2回目のニス塗り前に320~400番のやすりをかけることで商品サンプルみたいな仕上がりに(本当は4回くらい塗ることになってる)

作業前にはおが屑とニスが飛んでもいいように床とニス乾燥時に立て掛ける場所に新聞を敷きます。

まず粗目のやすりで全体をかける

普段端だけやすりを掛けていますが、今回はニス塗りをするので全面をやすり掛けします。かけ終わったらボロ布でおがくずを取り除きます。忍耐力勝負。

ニスを塗る(1回目)

やすり掛けをしていても結構塗りづらいというか引っ掛かる感覚があります。そして拭き取ったはずのケバが現れて表面にくっつく。どこから来たのあなた…。

ニス塗り1回目が終わった1x4材。ニスを塗ったのがわかるくらいにはツヤが出ています。

そしてこのタイミングで刷毛をとっとと洗います。(1回目)

ニスの刷毛は容器よりも小さい幅のものを

ペンキの缶サイズで買う場合は気にする必要がありませんが、画像のサイズのボトルの場合は上にくっついているカップを容器として使うことになると思います。この時刷毛の幅が広いとカップの中に突っ込むことが出来ずにニスが余ってしまうことになりかねません。ただでさえ高いニスなのでロスは最小限にしたいところ。

乾いたら400番くらいのやすり掛け

ニスを塗った分物凄い抵抗のある地獄の作業。めちゃくちゃしんどいところを我慢強くニスも薄く剥がしてケバも取り除いて納得の仕上がりに。かけ終わったらボロ布で表面に残っているカスを取り除きます。

ニスを塗る(2回目)

2回目のニス塗り。1回目と比べて驚きの塗りやすさに感動。ケバも付かないし。塗り終わったら1時間半~2時間乾燥します。

ニス塗り2回目が終わった1x4材。塗りムラ部分すらかわいく見えてくるツヤが出ます。

そして刷毛を洗います(2回目)。ニスの必要量は事前にわかりませんでしたが、今回の棚のSPF材表面を2度塗りした結果は300mlの半分を使いました。やっぱり1000円分くらいはかかるのね…

ニスの複数回塗りによるメリット

ニス塗りは手間が凄い(乾燥に時間がかかる)代わりに今回2回塗りしてみてよかったと思うところは、どうしても1回だけだと木材のケバ立ちが何故か残ってしまうところ。1回乾かしてもう一回やすりをかけることでこのケバ立ちをなくすことができるのと、1回塗りと比較して2回塗りの方が明らかに上質なツヤが出ます。

また、時間に余裕があれば4回塗りくらいはした方が細かい傷もなくなりますしそれはそれでお勧めです。

組み上げ

SPF材の準備が終わったら実際に棚の組み上げへ。今回活躍してもらうディアウォール。

とりあえずディアウォールを柱に付けて高さの確認。

パッと見では高さは問題ないものの、左の柱にかかるテンション9がちょっと強すぎてそのうち上を突き破りそうなので後で切る決心。

取りあえず柱の上側のディアウォールを外した状態で借り組。ディアウォール棚受けは柱側のみ木ネジで止めています。

  • 左側の柱を5mm切る
  • 棚板の上側に滑り止めテープを貼る
  • ディアウォールを柱の上も付ける
  • 棚板のディアウォールはネジ止めではなく両面テープで対応

した完成形はこちら。素人でもこれくらいのものは作れます。という事で。

ラブリコとディアウォール両方使ってみて

以前作った棚はラブリコを使っていて、今回はディアウォールを使いました。柱用のアジャスターと棚受けどちらも使った感想としては、はっきりってラブリコの方が使いやすいです。

柱用のアジャスターの違い

アジャスターについては、ラブリコは手でネジを回して張力を調整する、ディアウォールは最初からバネが内蔵されていて調整はできない(短い分には挟む板を追加して調節可能)という違いがあります。

今回仮組をした時に左側の柱のテンションが強すぎることに気付いて慌てて1x4材を切りましたが、ラブリコを使っていればネジを回すことで調節できた可能性が高いです。

原因は確かに寸法の測り間違いなのですが、素人でも扱える調節の幅があるという観点で考えるとラブリコの方が融通が利きます。ディアウォールがラブリコに比較して激安という訳でもないので。

棚受けの違い

ラブリコの棚受けは柱にパーツをネジ止め、棚板にはパーツを被せて、それをジョイントすることで固定します。一方ディアウォールの棚受けは柱と棚板を一つのL型金具でネジ止めするので、仕組み的には穴の開いたL型金具でネジ止めするのと同じです。

ラブリコの棚受けの使いやすさは、ジョイントしたパーツを外せば棚板をラックから外せることで、ディアウォール(L型金具)でやろうとした場合にはラックごと外すかラックを下から覗き込んでネジを外すという非現実的なアプローチを取らないと棚板だけを外すことができません。

後から棚板だけを外す可能性が少しでもある場合はラブリコの棚受けを使うべきです。


  1. いつも何らかのミスで自分で切る羽目になる [return]
  2. もちろん耐久性が必要なDIYも該当します [return]
  3. 両面テープで貼り付けるタイプ [return]
  4. 当初3段で考えていて、実際に棚用の1x4材とディアウォールの棚受けを3つずつ買っていたが余った… [return]
  5. 工作等で使うならアクリルニスでも水を通さないようにできるようです [return]
  6. 以前作った棚はSPF材むき出し。木のぬくもりが感じられてそれはそれでよいものですが、環境によっては表面から劣化していきます。 [return]
  7. 実際に買ったのは3枚で、1820mmの1x4材をカットして用意したので1820mmの板を3枚買ったんですが2枚で足りました。もったいない。 [return]
  8. 原因としては測り間違いですが奥まってて測りづらいんですよね… [return]
  9. ディアウォールRにはバネが内蔵されていて、長さに余裕がないとバネの張力が強くなる [return]

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