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Raspberry Pi 4とOrange Pi 5とOrange Pi 5 Plusを比較
ここ最近品不足が続いているRPi4とOrange Pi 5と5 Plusを比較します。
Raspberry Pi 4 Model B | Orange Pi 5 | Orange Pi 5 Plus | |
---|---|---|---|
SoC | Broadcom BCM2711 | Rockchip RK3588S | Rockchip RK3588 |
CPU | ARM Cortex-A72 4コア | ARM Cortex-A76 4コア + Cortex-A55 4コア | ARM Cortex-A76 4コア + Cortex-A55 4コア |
NPU | 6.0TOPS(RKNN) | 6.0TOPS(RKNN) | |
RAM | 1GB / 2GB / 4GB | 4GB / 8GB / 16GB / 32GB※ | 4GB / 8GB / 16GB |
eMMC | なし | なし | モジュールを後付け可 |
SSD | なし | M.2 M-Key(NVMe)スロット有 | M.2 M-Key(NVMe)スロット有(PCIe 3.0×4) |
USBポート | 3.0×2ポート、2.0×2ポート | 3.1 Type-C×1ポート、3.0×1ポート、2.0×2ポート | 3.1 Type-C×1ポート、3.0×2ポート、2.0×2ポート |
Ethernetポート | 1GbE×1 | 1GbE×1 | 2.5GbE×2 |
無線LAN | IEEE 802.11 b/g/n/ac 2.4/5GHz | なし | M.2 E-Key(2230)で後付け可 |
Bluetooth | Bluetooth 5.0, Bluetooth Low Energy | なし | ↑ |
基盤サイズ | 85.60 × 56 mm | 100 × 62 mm | 100 × 75 mm |
発売年 | 2019 | 2022 | 2023 |
※Orange Pi 5のRAM32GBモデルは現時点で公式ストアでの販売なし
発売年が違うので当然CPUも4世代分変わっている他、本格的に従来のPCの代わりになるようなI/Fの充実ぶりがOrange Pi 5⁄5 Plusから感じられます。Orange Pi 5は無線通信部分がなくなっているので、有線LAN運用では使われることのない無意味についてくるWiFiのせいで技適を気にしなければよいというストレスからも開放されたのも良いところ。5 PlusについてはSoCがRK3588となり、M.2でWiFi/BT対応可能。表に入れていませんがHDMI出力2系統、HDMI入力1系統も特徴なので、こちらが魅力と感じる場合は迷わずに選んでいいと思います。
Orange Pi 5(と5B)は6月中は公式ストアでセール中
Orange Pi 5は執筆時点でAliExpressの公式ページ、Amazon(US)でセール中になっており、私が欲しかったOrange Pi 5の16GB RAMモデルがUSD109だったので、衝動買いしました。
Orange Pi 5の周辺事情
シングルボードコンピューターを選ぶ際に気をつけているOSサポートとまともなケースについて、Orange Pi 5を見てみます。
参考としてRaspberry Pi 4の場合、OSはUbuntuが公式にサポートしているためイメージをMicroSDに焼いて起動すればそのまま使えるし、ケースはArgon40のケースを使っていればトラブルになることはないという意味で最高です。
Raspberry Pi 4(RPi4)とArgon Oneを購入。購入ルートと届くまでの顛末、組み立てまで。
Raspberry Pi 4(RPi4)の追加設定。ケースの電源ボタン・ファン制御・外付けHDD接続
OS
Orange Piシリーズの発売元であるShenzhen Xunlong Softwareが提供するOrange Pi 5向けのオフィシャルのOSは以下のものがあります。
- OpenWRT
- Orange Pi OS(Arch)
- Orange Pi OS(Droid)
- Ubuntu Image
- Focal(20.04) Desktop XFCE
- Focal Server
- Jammy(22.04) Desktop GNOME
- Jammy Desktop XFCE
- Jammy Server
- Debian Image
- Bookworm(12) Desktop XFCE
- Bookworm Server
- Bullseye(11) Desktop KDE Plasma
- Bullseye Desktop XFCE
- Bullseye Server
- Android Image
また、オフィシャルからもリンクを張っていますがArmbianもOSを公開しています。
Kernelについて
Linux KernelはOrange Pi 5シリーズで使われているRK3588/RK3588Sのサポートを今年の4月27日リリースのKernel 6.3でマージしたので、ディストリビューターが好き好んでサポートを追加している場合を除き、主要ディストロでのOrange Pi 5サポートはまだありません。
Orange Piオフィシャルの配布するイメージはUbuntuもDebianもKernelはすべて5.10.110のようです。また、Armbianの方もUbuntu・Debianとも5.10がベースなので同じKernelを使っているかもしれません。
Ubuntu自体は23.04でのKernelは6.2なので、10月リリース予定の23.10で6.3以降になると思いますがそこでOrange Pi 5を正式サポートしてくれると助かるんですが(ARMのサポートハードウェアはRaspberry Piしかない)
ケース
商品自体がむき出しのシングルボードコンピューターではメーカー自体がケースを作ることはあまりありませんが、Orange Piは5については最近発売しました。5 Plusはまだありません。
Now the Case for Orange Pi5/5B is available, get yours from our aliexpress/Amazon. pic.twitter.com/l7AgTyibzy
— OrangePi (@orangepixunlong) May 11, 2023
このケースですが、冷却用のファンがついていないことで高負荷時の排熱が不安だったので今回はこれを選ばずにGeekwormのN506というケースにしました。
Geekworm Orange Pi 5/5B Metal Case with Fan and Heatsinks (N506)
GeekwormのOrange Pi 5用ケースはN506の他にN505もあります。違いはOrange Pi 5の裏側に2242よりも長いSSDをつけた場合にケース内に収まるサイズにしているかどうかだけなので、今後2242のSSDしか付けないという場合はN505でも問題ありません。(付けられますがケースの外にはみ出ます)
Geekworm Orange Pi 5/5B Metal Case with Fan and Heatsink (N505)
Geekwormは日本のAmazonにもストアを持っていて、ここで扱っているものは国内から発送されるので輸入の手間がかからずすぐ届きます。素晴らしいです。
Orange Pi 5用の他のケースについては、Cortex-A76であることを考えるとSoCはガチガチに冷却した方がいいので、最低でも全面ヒートシンクになってるものが良いかなと思います。
Geekwormは最近Orange Pi 5 Plusのケースも売り始めたので、Plusを買った人はこれでいいんじゃないかと思います。今の時点では日本のAmazonにはないみたいです。
Geekworm Orange Pi 5 Plus Metal Case with Fan and Heatsink (N508)
電源
Orange Pi 5の説明書PDFは514ページありますが、電源についてはややクセがあります。
8) Power adapter, Orange Pi 5 is recommended to use 5V/4A Type-C power supply for power supply
The Type-C power interface of the development board does not support the PD negotiation function, and only supports a fixed 5V voltage input.’
入力についてはUSB-PD非対応で5V固定、でも電流は4Aということなので、流す電流の割に電圧が低く、結構面倒な20W電源を使う必要があります。
ただ、Raspberry Pi 4も概ね同じ仕様らしく、Raspberry Pi 4に対応しているUSB-PDではない4AのType-CのACアダプターを使うのが良さそうなので、秋月でどちらか買ってくる予定です。
スイッチングACアダプター(USB ACアダプター) Type-Cオス 5.1V3.8A: 電源一般 秋月電子通商-電子部品・ネット通販
スイッチングACアダプター(USB ACアダプター) Type-Cオス 5.1V3.8A: 電源一般 秋月電子通商-電子部品・ネット通販
Geekwormのケースを買うつもりであればGeekwormのAmazonのストアでケースと一緒に買うのが一番手間がかからないのでいいと思います。
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