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実働しているノートPCの電源を救いたい(ACアダプターはとにかく嵩張る)
USBを電力供給にスコープした規格であるUSB-PDがようやく普及期に入り、現在策定されているUSB-PDはリビジョン3.1で最大供給電力が240Wになりました。
2000年頃の自作PC(ミニタワー)の電源は250W~300Wだったので、USB-PD3.1ならこの程度のものなら賄えるようになっている1という段階に来ました。今時ではミニタワーPCはPCゲームをする人が使うもので、電源容量は550W~1300W、ビジネスデスクトップはスリムタワーやスリムデスクトップと言われるものが中心になっているものと思います。
USB-PDは2012年の1.0の策定時から最大で100Wだったので、一般的な(≒ゲーミングノート以外の)ノートPCはUSB-PDで電源供給ができるターゲットに入っていたはずです。
他方、ノートPC自体のUSB-PDによる電源供給はかなりの時間が経過してから実現した形になります。大きく動き始めたと感じたのは2017年に発売されたUMPCと言われる小型PCのGPD PocketがUSB-PDによる給電に対応したところからという印象があります。
特別アピールポイントにしている訳ではありませんがUSB-PD給電に対応していたThinkPad X2702が発売されたのも2017年でした。
対象となるPCやACアダプター
今回の対象は以下の通りです。
モノ | 品番 |
---|---|
ノートPC | Dell Inspiron 7359 |
ACアダプター | HK45NM140 |
BeforeとAfter
作業前と作業後はこんな感じになります。
Beforeで特筆すべきは対象のACアダプターの型番がHK45NM140ということと、このACアダプターの出力が19.5V・2.31Aというあまり見たことがない値であることです。なので、USB-PDに置き換えた後に対象のDell Inspiron 7359に出力する電圧・電流もこれに近いものにしなければならないということを意味します。
また、Dell Inspiron 7359の電源入力端子の物理形状は4.5mm 3.0mmのバレルコネクタなので、物理形状もこれに合わせる必要があります。
USB-PD出力するモノについてはACアダプターはもちろんですが、USB-PD出力できるモバイルバッテリーも使えるようにします。但し、元のACアダプターと同程度以上の電圧・電流で出力ができるものが必要です。今回はCheeroのCHE-094というものを使っています。仕様として記載されているのは【5V-20V 45W max】です。大雑把ですね…
トリガーケーブルについて
今回は上記のfine-Rというメーカー(?)のものを購入しました。種類がたくさんあるので、サイズから4.5*3.0mm DELLを選ぶ必要があります。
数多ある各種メーカーの各PCへの対応を謳っている商品の検索は、ACアダプターの型番(今回であればHK45NM140)とType-CやUSB PDといった単語で検索するのが一番正確な結果を得られると思います。
我が家のUSB PD三銃士です。左からCHE-094、RAVPower RP-PC128、Baseusの65W ACアダプターです。下に写っているのがトリガーケーブルです。届いてからわかりましたが、トリガーケーブルのUSB端子側のカバー(金属製)がほぼ固定されていないので、固定されていると思って接続しようとするとカバーがずれて繋がっていないという事態に陥りがちです。
RP-PC128については、Rogisiブランドのものになります。
RogisiのPD 充電器 Type C 急速充電器 90Wを買ったらRAVPowerのRP-PC128が届いた話
USB-PDとトリガーケーブルでDell Inspiron 7359に給電してみた結果
嬉しいことに今回試した全てのUSB電源でDell Inspiron 7359の充電が可能でした。モバイルバッテリーのCHE-094については充電中はポートが集まっている部分が結構熱くなっていたので、変換基板はそれなりに熱を持つものなんだと実感しました。
また、一つ事前にわかっていなかった結果としては、トリガーケーブルのコネクタ部分の長さがHK45NM140よりも5mmほど長く、PCに接続すると長さが余ります。奥まで挿そうとしてしまうことが必然のため、ストローを短く切ったものをセロテープで緩衝材代わりに付けています。
なんにせよ、(コネクタの長さが合っていなかったという不測の事態はあったものの)上手いこと動くことが確認できたのは良かったです。メジャーなメーカーのPCの方がこういったパーツが(安価に)作られるので、ACアダプターの故障の際にも代替手段を簡単に準備でき、結果的に製品寿命を延ばすことができるようになりますね。
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