Ubuntu 24.04以降でDaVinci Resolveを使いたい場合の留意事項(Intelの内蔵GPUを検出)

Posted by 雅楽斎 on Tuesday, March 4, 2025

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無料で利用できてLinux用にもリリースしているとてもありがたい動画編集ソフトのDaVinci Resolveですが、GPUを検出できないと使用できないこととUbuntuの場合追加手順が必要なこと。特に日本語の情報が少ないので、執筆時点での対応方法をまとめます。

確認した環境はUbuntu 24.04 LTSとUbuntu 24.10で、いずれもIntelの内蔵GPUを搭載したノートPCです。

Intelの(内蔵)GPUをUbuntuで使う場合に必要な手順

「未対応のGPU処理モード」という見慣れないエラーメッセージが表示されて、手元のUbuntuではDaVinci Resolveが使えないのではないかと思ってしまいそうですが、そんなPCでもWindows上ではDaVinci Resolveが動いたりするので動かないのがハードウェアだけのせいではなさそうという推測ができて、

UbuntuでDaVinci Resolveが開けない

こちらの手順を踏めば動くようにはなるんです。でも、別のPCで動かそうとするとやっぱり動かなかったりする。ちょっと面倒なつまづき方をするのがDaVinci Resolveなのですが、それには理由があるので、手を動かしながらわかったことをまとめていきます。

必要なもの

ドライバーのインストール

Compute RuntimeはGraphics Compilerに依存していて、対応したバージョンをインストールする必要があります。また、IntelのGPUはCompute Runtimeに依存していて、2024年9月に古めのプラットフォームはComputer Runtimeの最新バージョンではなくlegacyに分けられ、クリティカルな問題のみ修正されるようになりました。

compute-runtime/LEGACY_PLATFORMS.md at master · intel/compute-runtime · GitHub

ということで、Compute Runtimeの24.35以降はPCに合わせて必要なドライバーが変わります

Legacyドライバーに対応するプラットフォーム→24.35のLegacyドライバーをダウンロード

  • Broadwell(第5世代Core)
  • Skylake(第6世代Core)
  • Kaby Lake(第7世代Core)
  • Coffee Lake(第8-9世代Core)
  • Apollo Lake
  • Gemini Lake
  • Ice Lake
  • Elkhart Lake

最新ドライバーに対応するプラットフォーム→最新のドライバーをダウンロード

  • DG1
  • Alchemist
  • Tiger Lake(第11世代Core)
  • Rocket Lake(第11世代Core)
  • Alder Lake(第12世代Core)
  • Meteor Lake(第14世代Core/1世代Core Ultra)
  • Raptor Lake(第13世代Core)
  • Lunar Lake(2世代Core Ultra)

今回はSkylakeとCoffee Lakeで確認したので、どちらもLegacyドライバーをダウンロードすることになりました。

24.35系列の最新は現時点では24.35.30872.22なので、以下のURLへアクセスします。

Release 24.35.30872.22 · intel/compute-runtime · GitHub

ダウンロードするファイルは以下です。

  • intel-level-zero-gpu-legacy1_1.3.30872.22_amd64.deb
  • intel-opencl-icd-legacy1_24.35.30872.22_amd64.deb
  • libigdgmm12_22.5.0_amd64.deb

また、24.35に対応するGraphics CompilerはReleasesのページに記載のある通り1.0.17537.20なので、以下のURLにアクセスします。(debファイルの依存バージョンが固定されているので、1.0.17537.20以外のバージョンはインストールできません)

Release igc-1.0.17537.20 · intel/intel-graphics-compiler · GitHub

ダウンロードするファイルは以下です。

  • intel-igc-core_1.0.17537.20_amd64.deb
  • intel-igc-opencl_1.0.17537.20_amd64.deb

これらのファイルをインストールします。Releasesの手順ではdpkg -iでインストールすることになっていますが、他に依存パッケージがあったり不足ファイルがあるとインストールに失敗してもインストールされたことになってしまうので、個人的にはaptでインストールしています。

$ sudo apt install ./intel-level-zero-gpu-legacy1_1.3.30872.22_amd64.deb ./intel-opencl-icd-legacy1_24.35.30872.22_amd64.deb ./libigdgmm12_22.5.0_amd64.deb ./intel-igc-core_1.0.17537.20_amd64.deb ./intel-igc-opencl_1.0.17537.20_amd64.deb

インストールが問題なく終わると「未対応のGPU処理モード」ダイアログは表示されずに、設定からも内蔵GPUが識別されていることが確認できます。

【付録】DaVinci Resolveをdebパッケージで管理する

Debian系ディストロの場合、ソフトウェアは可能ならdebパッケージで管理したいものです。(特に更新が楽なので)

DaVinci Resolveが提供するインストーラーをdebパッケージに変換するスクリプトを公開している人がいるので、これを使用してdebパッケージを作ります。

Daniel Tufvesson | MakeResolveDeb

必要なもの

  • DaVinci ResolveのLinux用インストーラー(DaVinci_Resolve_18.5_Linux.zip等のzipファイル)
  • makeresolvedeb_1.7.3_multi.sh.tar.gz

debパッケージ生成

DaVinci Resolveのインストーラーのzipファイルを展開するとDaVinci_Resolve_18.5_Linux.runのように拡張子がrunのファイルが出てくるので、makeresolvdebを解凍してできたmakeresolvedeb_1.7.3_multi.shの引数にrunファイルを指定して実行します。

$ ./makeresolvedeb_1.7.3_multi.sh DaVinci_Resolve_18.5_Linux.run

もの凄く時間がかかるので、雑用を済ませながら待つとdavinci-resolve_18.5-mrd1.7.3_amd64.debが生成されます。これをaptコマンドでインストールします。

$ sudo apt install ./davinci-resolve_19.0.1-mrd1.7.3_amd64.deb

以上です。

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